PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ブラチスラヴァ

 

スロバキアの首都。隣国チェコの首都であるプラハに比べると知名度がありません。人口も 40万人と、プラハの 130万人、ウィーンの 190万人よりだいぶこじんまりしています。逆に欧州らしい佇まいを持つ都市という観点から滞在地を選ぶなら、良い候補になるかもしれません。

 

言葉が分からないことに微小な不安を覚えました。最近そんな場所に足を踏み入れることがなかったからでしょう。実は 2020年3月以来、その公用語を使える国にしか渡航していません。COVID の前後で海外旅行はいろいろと変わったようですが、私の場合は気分が内向きになりました。

 

ブラチスラヴァには小さな国際空港もあります。就航会社を見るとバルカン半島の国という感じ。エーゲ航空やエアモンテネグロなどが定期便を持ちます。西欧のメジャーキャリアは就航していません。となるとこの都市で便利なのはウィーン国際空港。確かに直行バスはかなりの頻度で運航されています。またウィーン中央駅からの近郊路線の終点の一つは Bratislava-Petržalka。1時間1往復、所要時間 55分というコネクション。加えて IC (InterCity:ただし国際列車) も使えます。

https://www.oebb.at/de/fahrplan

 

今回はウィーン中央駅から近郊急行 (REX) で Bratislava-Petržalka へ向かいます。片道18.5 €

列車はウィーン郊外に出ても広大な畑が広がるのみ。ウィーンも Btratislava も共にドナウが市内を流れていますが、この列車 REX6 は渡河しません。

ということで車窓からの写真は皆無。

 

スロヴァキアもさすがに首都。珍しい機関車、車両も見ることができました。

この一つ手前の Kittsee で下車すれば、歩いて1分で国境を越えられ、国境に沿って二重道路 (?) がある所だったので、時間があれば寄れば良かったとふと考えました。

 

REX6 の終着駅 Bratislava-Petržalka は郊外の小さな駅。目の前に集合住宅と一体化した小規模な施設があるだけ。旧市街へのアクセスは何も調べずに来たので、右も左もわからず。悪いことに Tourist Information もありません。観光客が大勢下車してバスの乗車券販売機に集まっているので、往きはこの一群について行くことにしました。

独語や英語の他、仏語のグループもいて国際的。乗車する時、バスの番号(80番でした)を記憶することも忘れません。

 

ぞろぞろと人が下車する場所、自分も下車。Zochova という停留所でした。こんな行き当たりばったりの旅行は初めてです。

 降りたところにも観光客向けの案内はほとんどありません。こんな大雑把な地図で何が分かるのでしょう。

 

勘を頼りに旧市街がありそうだという方向へ歩いて行きます。基本的に下り坂で、明らかにドナウ川が作った傾斜地です。

 

山上で威容を誇るかのように城塞が現れます。街を見下ろすように建設されているように見えます。道は間違ってはいないようです。

右側手前は、尖塔 (の一つ) だけそれらしい装飾があるゴシックの聖堂。欧州ならではの建築様式で、ほとんどの場合、未完成。この程度で放置されていても驚きはありません。

 

更に進むと市街地らしくなってきました。

 

内装が非常に凝った喫茶店/甘味処があります。

表記がドイツ語なのが気になります。

 

この広場が中心ですか。

取り囲む低層建築物は、それほど商売気を感じさせません。観光地ですが、まだまだという開発レベル。

 

古物商にあった昔のレジ?両替機?Mark と Pfennig なのでドイツで使われる物だったことは間違いありませんが、西か東かまでは分かりません。ちなみに20世紀のオーストリアは、ナチによる大ドイツ統合期を除いて Schilling と Groschen が通貨でした。

 

これはオペラハウスですね。建物の外見から判断して、内装は凄そうです。

 

ドナウにさらに近づくと別の劇場。これはバレエ劇場ですか?

ドナウ河畔には遊覧船が数艘停泊中。欧州の河川遊覧船は、まともな宿泊設備とレストランを備えた客船が流行のようで、最近あちこちで見かけます。河川クルーズは外洋クルーズに比べると、費用も期間も手軽なので人気があるのでしょう。ただし船は河川用貨物船を延伸したレベル。娯楽設備はほとんど無いと思います。体力も必要ないし、老人向けという気がします。

 

対岸は余り開発されていないので、流れを眺めながら過ごすのも良さそうでした。

 

おそらく河川流通の拠点であったのでしょう。それらしき建物かと思いましたが、少なくとも現在はスロバキア共和国環境省

なお左に映る建物は、スロバキアフィルハーモニー

 

近くのブロンズ像。

なお幾つかある土産品では、人形が豊富で特徴的でした。有名なのでしょうか?

 

午後に行きたいところがあったので、何もせずに帰ります。宿泊するならこんなホテルが手頃かもしれません。城塞の偉容を背景にして、不釣り合いに堂々とした ibis。

降りたバス停にもどり、通りの逆側から80番バスに乗車します。Petržalka の表記を頼りに降車バス停を逃さないようにします。

 

帰路の鉄道切符は Bratislava-Petržalka 駅に一つだけある販売窓口で購入。ドイツ語が通じます。といっても、駅名だけ分かればよいので不思議ありません。驚いたことに Wien Hauptbahnhof までの片道乗車券は 9.5€ で往路の半額。しかも IC の指定席です。

 Bratislava-Petržalka を出発すると、次の停車駅は終点 Wien-Hauptbahnhof でした。

 

記念に撮り鉄してきました。