PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

定時性2021

こういうのは驚きませんね

定時運航性では、日本の航空会社が優秀なのは当たり前という意識があります。常時トップでもありませんが、JALANA も確かに良い順位を保っています。2021年の全世界ランキングでは ANA がトップ、JALが 2位です。ちなみに 3位はアエロフロート

Delta Air Lines named as the world’s best performing airline of 2021; All Nippon Airways as the most on-time globally – Cirium

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これは遠い場所の話に聞こえることでしょう

航空会社の参入は自由化されていないため、世界を地域に分割してその中での比較も重要となります。ANAJAL が優秀と言っても、北米内のフライトばかりという人には全然関係のない話です。検索ですぐに見つけられる定時制のランキングは、むしろ地域別。

 2021年のヨーロッパの定時性が報道されていました。1月6日の発表ということです。ソースは同じCiriumです。

Aérien. Vueling, Iberia, KLM...quelle a été la compagnie la plus ponctuelle en Europe en 2021 ?

 

トップ10は上位から

Veuling         IAG

Iberia express       IAG

Norwegian Air Shuttle

Aeroflot        Skyteam

Iberia          IAG

Eurowings       Lufthansa Group

Austrian        Lufthansa Group

LOT          Star Alliance

KLM            Skyteam

ITA           Skyteam

となります。次のことが読み取れます。

 

・1, 2, 5 位はスペインの会社で IAG 傘下

・1, 3 位は LCC

・6, 7 位がルフトハンザグループ。

・6, 7, 8 位はスターアライアンスの会社で、FFPは全て Miles & More。

・4, 9, 10 位がスカイチームの会社。先頭にいるのはアエロフロート

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イベリア半島の住民はいつも昼寝ばかりしているとか、ロシアはウォッカ瓶を手にした酔っ払いだらけだとかいうステレオタイプの存在は否定できませんが、旅客機の運航とは全く関係がないことは明らかです。また最近では常識になりましたが、LCC は経費削減に厳しく、定時性にしわ寄せが行くというロジックは破綻しています。

 スペインにはエアヨーロッパもあるのですが、トップ10には現れません。そして IAG にはブリティッシュエアウェイズやエアリンガスという有力会社もあるのですが、トップ10に現れたのはスペインの会社ばかり。

 アエロフロートは、長距離便も欧州便も共に頑張っています。この会社、あと数年で定時性、サービスの二点で欧州一になりそうです。政治に関心のない av geeks から、カタール航空程度の称賛を受けることになりそうです。

 個人的な経験では、アリタリア、KLM は定時性が高く、三大手は定時性が低い方からルフトハンザ、エールフランス、ブリティッシュエアウェイズという印象を持っています。

 

実は身近で切実な問題

日本人ならヨーロッパへ行く時も、ANAJAL の利用が多いのですが、覚悟した方が良いことがあります。ANAJAL はそれぞれルフトハンザ、ブリティッシュエアウェイズとのコードシェア便により、ヨーロッパのいろいろな都市へ行けることになっています。ありがちなのは、帰りに出発地から FRA や LHR へのフライトが遅れること。LH、BA は頻繁に遅れ、NH、JL は定時性が高いとなると、FRA、LHR での置き去りが頻繁に発生すると言う結論になります。代替便のあれこれ(フライトの経由地、搭乗クラス、座席番号など)を交渉するのはたいてい LH や BA の職員であり、NH や JL の職員ではありません。こういうのは言葉の得手、不得手とは少し違うストレスになります。

 LH や BA のフライトで全行程を組めば、それらの職員を相手にすることが予定の一部なので、遅延により別便を手配する時も落ち着いたものです。

 それに加えて遅延への慣れの問題が加わります。メタル会員は、手書きメモ付き飴袋をもらっても平常心を保てる一方で、GGL 会員は、BA 遅延の知らせを靴紐がほどけたぐらいにしか感じません。

 

Pechedenfer はヨーロッパに限らず、遅延や欠航によって帰りの旅程の最後が NH や JL に変更されたことが何度かあります。この場合、NH や JL のキャビンは非常に居心地が悪いのでした。

 BA 利用で LHRへは大幅遅延であるものの、LHR-NRT が欠航になり、置き去りを免れたというふざけた経験もあります。ヨーロッパではありませんが、マレーシア航空では KUL への便が数時間遅れても、NRT 便がそれ以上に遅れたので接続したという経験も(数回)あります。

 ということで、コードシェア便は、定時性が低いもの同士か高いもの同士の組合せで利用するのが正解だと思います。ごめんなさい、JV に水をさすようなことを言っています。