PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

XP にまつわる改悪の第2弾

 

矢継ぎ早に改悪です。来年 4月からスカイチーム以外の提携航空会社運航便の搭乗では、XP(と会員ティアによるマイルボーナス)が得られなくなると、10月下旬に発表されたばかり。

フライングブルーの制度変更:日本の会員には改悪 - PECHEDENFERのブログ

そして11月に入ったら、繰越可能な XP に上限を設けると予告。

https://www.flyingblue.com/en/news/surplus-xp-capping

清々しいぐらい露骨なライフタイムプラチナ (LTPLT) メンバーシップ獲得妨害ですね。

 

フライングブルーでは 10年間連続でプラチナ (PLT) 会員を継続すると、以降その会員資格が無期限になります。この規則は表だった変更がなくても、規則の構成要素(PLT 会員継続の要件)の変更が壊滅的な効果をもたらすので注意が必要なのです。

 

さて 2024年11月1日以降の会員更新では、300 XP が翌年度に持ち越せる上限になります。

 影響を受けるのは更新時に 600 XP 以上有する PLT 会員。彼らは 300 XP 減算され、さらに一年間 PLT 会員になりますが、残った XP が 300 を越える場合、その超過分はカットされます。

 

ただし初回は経過措置があり、超過分が 300 XP ごとに PLT 会員継続実績が 1年加わります。つまり初回更新時に

 

   300 ~ 899 XP → 翌年度 PLT 会員 + 年度開始 XP = 0 ~ 300

   900 ~ 1,199 XP → 翌年度 PLT 会員 + 会員継続年 1年 + 年度開始 XP = 300 

1,200 ~ 1,499 XP → 翌年度 PLT 会員 + 会員継続年 2年 + 年度開始 XP = 300 

1,500 ~ 1,799 XP → 翌年度 PLT 会員 + 会員継続年 3年 + 年度開始 XP = 300 

1,800 ~ 2,099 XP → 翌年度 PLT 会員 + 会員継続年 4年 + 年度開始 XP = 300 

etc.

 

ということのようです。2018年4月の XP 導入後、半年以内に PLT 会員になって継続している方でも現在 6年目前半。新制度における LTPLT メンバーシップ獲得トラックはようやく半分過ぎたところです。新規則以降、LTPLT 狙いの会員は更新に向けて XP 獲得の調整を図るはずですが、幾ばくかの XP は消失します。

 

今回の新規則導入が改善になる人たちもいます。それは LTPLT を現実の目標としており、多量に XP を有する会員です。極端な話、それで LTPLT が確定する会員には滅多にない吉報になりました。そうでなくても一気に PLT 会員継続年に変換してもらえるのですから、将来の改悪リスクが低減します。

 本当に安心出来るのは、新制度初回の更新で PLT 会員連続10年目が開始する方。LTPLT 達成に必要以上の XP を持っていた会員です。これなら 2025年11月以降の更新からどんな改悪があっても関係ありません。

 

状況はほぼ同じでも、大災害になる会員もいます。LTPLT を期待せずに多量の XP を保有する会員です。この場合、経過措置は単なる没収に他ならず、稀に見る暴挙です。訴訟が起きてもおかしくありません。しかも違いは、会員が期待しているか否かという微妙なレベルで生じます。(居たとしても少数でしょうから、フライングブルーは個別対応を考えるのでしょう。)

 

まずは楽天的なシナリオに目を向けましょう。徒手空拳で今からフライングブルー会員になっても、2024年11月までに 3,280 XP 獲得してしまえば、たった 1年間で LTPLT はほぼ確定です。(次の更新時に確実にしたいならさらに 300 XP、その時成就ならさらに 600 XP 必要です。) これはライフタイムメンバーシップの獲得には異常に短い期間。絵空事に聞こえるかもしれませんが、アメリカではこういうことを可能にする人が割といるようです。

 一方「普通のテンポで」LTPLT を目指す会員には、明らかに改悪です。こういう人たちの年間獲得 XP は 380 とか 430 とかでしょう。7~8 年飛んで後は座して待つという青写真も可能でしたが、空論になりました。2~3年ゴールは遠くなります。そして遠のいた期間に決定的な改悪があると目も当てられません。が、割とそういうことは起きます。

 

5年半が経過した新生フライングブルー。当初から予想された通り、LTPLT 実現のハードルが上がり始めました。悲観的なシナリオを描くのは性に合いませんが、2026~2027年頃にもう一つ何か来そうな気がします。