PECHEDENFERのブログ

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FB:ライフタイムプラチナ獲得には好機のはずだが

10月、11月と立て続けに改悪が発表された Flying Blue。しかし一部の人にはとんでもないチャンスが生まれました。

 

千載一遇のチャンスが到来

2024年11月1日以降、プラチナ (PLT) 会員更新時の XP 繰越に上限 (=300 XP) が設けられます。この改悪は今月にアナウンスされました。

XP にまつわる改悪の第2弾 - PECHEDENFERのブログ

制度導入後、初回更新時に特別処置があります。会員年度終了時 900 XP 以上ある場合は翌年分の会員資格 -300 XP、繰越分 -300 XPを除いて、300 XP 毎に PLT 会員継続年数が 1年加わります。この移行措置がライフタイムメンバーシップを獲得したい会員に 2005年以来、最大のチャンスをもたらしています。今から入会しても一年以内に 3,280 XP 獲得すれば、2024年11月1日以降、最初の更新時にライフタイム PLT がほぼ確定するのです。(本当に確定して安心したいなら +300 XP 必要。)

 このライフタイムメンバーシップ獲得の要件である PLT 会員10年連続は、プログラムに改悪を重ねて会員を途中で挫折させるために十分な期間であり、期間短縮=改悪回避がいかに有利かは 2005年~2018 年 Flying Blue の惨状を見た会員には容易に理解できると思います。

 

しかも追い風

現在 SAF (Sustainable Aviation Fuel) 購入で 10 € あたり 1 XP が得られます。オプションは3種類あり、最大限払うと東京-欧州片道で 1800 €を越えます。特典航空券でも同じオプションが購入できます。おそらく SAF への転換は待ったなしで、AF-KLM は「背に腹は代えられない」状況なのでしょう。(路線ごとの固有レートの有無、購入上限の有無は不明。おそらく燃料消費量から真面目に計算しており、購入上限はないものと想像。その結果、機会あるごとに SAF を最大限購入し、途方もない XP を保持する会員が続出しているために XP 繰越上限新設になったのではないかと推理します。)

 

ライフタイム PLT 獲得に必要な最小限の 3,280 XP を全て上記レートの SAF 購入で獲得するなら、32,800 € (=535 万円) になります。搭乗しないことには SAF 購入はできませんが、せいぜい東京―欧州 9往復。その気になれば 1年で可能でしょう。資金も総額800万円前後で済みます。

 Flying Blue の PLT 会員は、JMB や AMC のダイヤモンド会員に相当するレベル。それがたった 1年の搭乗で永久化するなんてまずない話です。このレベルだと BA のゴールド会員が比較的容易で、羽田―伊丹ファーストクラス 292 往復でライフタイムメンバーになれますが、これと比べても時間、費用ともに優れています。

 

またメンバーシップそのものに関心がある人には、必要な搭乗実績の大部分を購入できる点は非常に大きなメリットです。異例づくしと言えます。

 

ペイするか?

ただし永遠の PLT 会員も購入するなら、費用便益の評価が簡単にできてしまいます。移動費用は本来の目的として償却済みだとしても、地球環境に危機感を抱く意識の高い修行僧を除くと、30,000 € は特典の無期限サブスクリプションの目的にのみ使われます。そして PLT 会員の特典のほとんどは、エコノミークラス利用を有利にするもの。

会員資格と都度払いの比較:フライングブルーを手に AF に搭乗する場合 - PECHEDENFERのブログ

エコノミークラスで有料サービスに追加料金を払わなくて良い点が特典の大部分を占めますが、それらの特典は合わせても欧州路線往復で 200 €、長距離路線でその 2倍程度でほとんど買えそうです。すると今後死ぬまでに予想される AF-KLM の利用回数から、合理的な判断ができます。AF のエコノミークラスを利用して150回ぐらい欧州でうろつくなら、均衡しそうです。

 

かなりのエコノミークラス搭乗ですが、若いなら大いにありうる話です。当然のことですが、節約心が普通に働く人にはこういう前払いは向きません。病的なぐらい「ついつい無駄遣いする」性格ではないと、こうして出費を抑える計算には意味がないと思います。

 

ステイタス?

承認欲求が強くてメンバーシップを有難がる性格なら、永遠のプラチナステイタスは心を満たしてくれるかもしれません。実生活で誇れる地位がないと劣等感を抱える人には、おそらく有用です。こういう効能はプライスレス。障害なく支出できるなら、滅多にない良い買い物になる可能性すらあります。

 ブログを書くためにメンバーシップを保つ方も多いはずです。「十分な知識があるのだから、ありがたく読め」という箔付けではなく、様々な仕組みの更新に遅れを取らないためには、自ら会員プログラムを利用するのが一番だからです。例えば下記ブログは 3名の著者により運営され、それぞれ著者のメンバーシップを公開しています。「ほどほどのレベルで広く」は一つのポイント。

https://www.travelguys.fr/en/about-us/

しかしこの目的にはライフタイムメンバーシップはあまり役立ちません。ライフタイムになるとプログラムへの関心が薄れます。多くの JGCSFC 会員が JMC、AMC の内容をあまりご存じない一方で、ダイヤモンド会員はいろいろな疑問に対しすぐに数字を出して答えられる現象と同じメカニズムが働きます。JGCSFC は高額のクレジットカード年会費を払っているので放置しない方が良いと思いますが、それは別の話。

 

私の場合

ブログを書く立場から述べると、メンバーシップの維持は関心の維持と等価です。ライフタイムメンバーシップはその経験自体がネタになりますが、ひとたび獲得したらそのプログラムの話題は厳しい状況に陥ります。Flying Blue は PLT でも会員特典は大人しいので、資金が十分あったとしてもネタにする方が個人的には美味しい利用法です。搭乗により会員資格を毎年更新する方が、XP を大量購入するよりはるかに有用でしょう。もし私が AF の SAF を購入するとしたら、人類の未来かブログ更新のためです。