プログラム新制度が発表から実施まで 4年以上もあると、こういうことも起きるという教訓。実施される前から大きな変更が次々入った例として記憶に残りました。
Lufthansa, Swiss, Austrian, Brussels Airlines, Eurowings, Discover Airlines, Air Dolomiti, Croatia Airlines, LOT, Luxair 10 社の顧客プログラムである Miles & More は、抜本的な制度改革を2019年11月に発表し、その新制度は 2021年 1月に開始すると宣言しました。ところが 2020年 9月になって「2024年 1月 1日まで実施を延期する」と言い出し、結局 3年延期。ようやく実現した模様です。
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ルフトハンザ Miles&More の新制度は2024年1月に開始 - PECHEDENFERのブログ
ルフトハンザ Miles&More の新制度は2024年1月に開始 (補足) - PECHEDENFERのブログ
興味深い点は、発表から実施までの間に大きな変更を何回も行ったことです。あくまでも結果論ですが、詰めが甘いプログラムのまま走り出さずによかったことになります。
本ブログでも実施前に変更が加わったことを記事（最終の情報更新が2022年12月）にしていますが、さらに変わっていました。
現在のプログラムが最終版だと考え、会員制度を改めてまとめました。正式版はこちらでどうぞ。
https://www.miles-and-more.com/row/en/program/status-benefits/new-statusprogramme.html
1) 会員制度の基本：前回の記事から変更なし
会員レベルを決定する Status Points は単に Points とも呼ばれ、 4キャビンクラスｘ2距離の 8成分でなる行列で与えられます。欧州型の搭乗実績評価法としてはおそらく最も単純です。
そして各会員資格の獲得・維持に要求される搭乗実績は以下の通りです。ポイントは1年間積算されます。
Total Points とあるのは、Status Points であり、スターアライアンス加盟会社のフライトで獲得できます。Qualifying Points は Miles & More 10社の搭乗により得られるポイント、HON Points は Miles & More 10社のビジネス、ファーストクラスの搭乗により得られるポイントです。Qualifying Points は Status Points としても、HON Points は Qualifying Points および Status Points としても数えられます。直前の表の会員レベルに要求される数字はすべて満たす必要があります。
年の途中に会員資格に到達した場合、翌々年の２月終わりまで有効なようです。
2) 大陸、大陸間の区分：もしかすると新しく確定
いままでは大陸、大陸間という用語だけで、具体的な区割りは示されていなかったように思います。私は今年になって初めて見ました。
地図にまとめられています。2024版ということですので、将来における変更の余地を残しています。
日本の会員にはロシア (欧州)、北マリアナ諸島 (大洋州)、ハワイ (大洋州)は距離が小さい大陸間移動。HND-VVO に ANA が就航すれば、ドイツから注目を浴びます。
3) どのぐらい搭乗：改めてシミュレーション
スターアライアンス加盟会社エジプト航空の本拠地は CAI。350 mile しかなく日帰り可能な CAI-BEY は大陸間路線になります。ビジネスクラス往復で 407.48 USD とすぐ見つかります。
これで 400 Points、ポイント単価 1.0187 USD。例えば Senator を獲得・維持するためには、このルート 2 往復半で 1,000 Points、約 1,000 USD。残りは Lufthansa 国内線エコノミークラス 50 フライトで片づきます。NUE-MUC を往復するなら、一往復 100 EUR が 25 往復で 2,500 EUR になり 1,000 Qualifying Points 獲得。Senator の維持は一年間に 3,400 ~ 3,500 EUR というレベルですね。
4) ライフタイムステイタス：調整した他、条件が変わっています
改革がアナウンスされた直後、ライフタイム Senator、ライフタイム Frequent Traveller の条件はそれぞれ、
・10,000 Qualifying Points を超過し、最低10年間 Senator または HON Circle 会員になったこと
・7,500 Qualifying Points を超過すること
でした。その後ポイント表が大きく変わったのでライフタイムの条件も変わりました。
https://www.miles-and-more.com/row/en/program/status-benefits/new-statusprogramme/lifetime.html
Senator、Frequent Traveller に要求される Qualifying Points 総量は、それぞれ 40,000、30,000 です。Senator ではポイント積算中の会員資格についての条件が撤廃されました。実質的にはあまり影響ない気がします。
ライフタイム資格では Qualifying Points のみを考慮するので、単純な Senator 20 年、Frequent Traveller 47年よりずっと大変です。
40,000 Qualifying Points は MUC-NUE エコノミークラス 1,000 往復。Freising 居住、自転車で MUC 空港まで移動、Nürnberg で Drei im Weggla で昼食を取る毎日を 3年続ければ、ライフタイム Senator。旧 JGC ☆☆☆☆☆☆ぐらい大変そうです。比べると年会費不要は優位で、特典は少し地味かもしれません。
新制度の前から Lifetime Senator は非公式に存在していたようです。
Your Lufthansa Miles & More Profile Now Displays A Current Lifetime Status Tracker - LoyaltyLobby
昔の SAS と同様に招待制で、会員の年齢も基準だったようです。今後は明快なルールの下、年齢差別なしにライフタイム会員になれます。若ければ若いほど得。
5) 旧制度からの移行措置：たぶん細目を決定した
2023年中に獲得延長されたステイタスは 2026 年 2月まで有効です。HON Circle 会員は2023年12月までに得られた HON Circle mile を 2024年 1月 1日に 50で除して HON Points に換算、それをゲタにして 1年の搭乗実績期間が始まります。
以上は単年度の会員資格に関する措置です。ライフタイムステイタスに関しては旧制度で獲得した 1 Status Stars point が 2 Qualifying Points に変換されます。変換後に得られたポイントはライフタイムステイタスにしか影響しません。4 Status Star 会員と 5 Status Star 会員は 2024年 1月、ライフタイム Senator 会員になります。
旧制度の Status Star についても私は記事を書いています。
Miles & More のステータス・スター - PECHEDENFERのブログ
Miles & More は会員制度の改革を機に、ライフタイムステイタスも単純に作り変えました。
