PECHEDENFERのブログ

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外航の利用と外航プログラムの利用

 

基礎講座みたいな話です。日本在住のほとんど方は海外渡航する時、JALANA などの日系航空会社を利用すると思います。しかしそんな方々も、多くは外航に興味を惹かれた経験があるはずです。顧客プログラム FFP 的に不利だとか、慣れない会社を使うのは面倒だとか多少ハードルを感じるのでしょう。思い切って経験することの価値は、どんな場合でも同じ。ただし外航には利用しやすい会社と利用しにくい会社があります。フライトの単発利用が楽な会社は、FFP も利用しやすいものです。そこで少し考察を。

 

この外航利用の難易度は、割合客観的に評価できます。注目すべきポイントは以下のとおり。

 

(1) 日本の空港では自社社員が地上オペレーションを一部行っていることが多い。

(2) 日本の電話番号があり、日本語対応がある。

(3) ウェブサイトの顧客向けページの大部分が日本語対応している。

(4) 日本に就航している。

(5) 日本に就航する航空会社と提携している。

 

数字の小さい条件を満たす会社は日本市場にしっかり取り組んでおり、日本在住でも使いやすいといえます。また普通 (1) を満たす会社は (2) ~ (5) も満たしており、(2) を満たす会社は (3) ~ (5) も満たすという上位包括性があります。

 顧客プログラムが有利かどうかとか、事故の補償(モントリオール条約批准の有無)などはまた別の問題です。また海外渡航の場合、英語に慣れていると英語で済ますことが多いのですが、これも全く別問題です。

 

中規模以上だとか、フラッグキャリアだとかいう会社だと、たいてい (5) は満たすので、実質的には (1) ~ (4) が使いやすさをチェックするポイントとなります。

 

 

BA, エールフランス, ルフトハンザ, キャセイパシフィック, 中華航空, シンガポール航空

これらの会社は (1) ~ (5) を満たします。したがって日本在住でも使いやすいのです。もちろんイギリス (英語)、フランス (仏語)、ドイツ・オーストリア・スイス (独語) 、香港 (広東語)、台湾 (マンダリン)、シンガポールとの縁の深さ、渡航頻度、運航路線で会社や FFP を選択することになることでしょう。

 

カンタス航空, ベトナム航空, タイ航空, トルコ航空

(2) ~ (5) を満たしており、日本の空港では JALANA 他の助けを借ります。ただカンタスは日本から SYD, MEL, BNE へ、ベトナム航空は HAN, SGN, DAD へ直行便を運航しており、それぞれ地域では圧倒的な存在感がある航空会社です。実際のところオーストラリアへ渡航するなら、避けない限りカンタス利用になることでしょう。ベトナムも国内移動で飛行機が便利。オーストラリア、ベトナムへ頻繁に行く方なら、それぞれの FFP も大変有利です。タイ航空、トルコ航空の就航地は BKK、IST とそれぞれ一箇所ですが、目的地の魅力や路線の充実が特長です。日本の FFP 会員も多いはずです。

 

マレーシア航空

愛すべき会社ですが、(3) ~ (5) しか満たしていません。事が起きた時に国際電話をかけるのは鬱陶しいものです。しかもなかなか接続しません。頻繁にマレーシアに行く人で、起きた事はマレーシアで解決可能なら問題ありません。日馬路線で JAL とジョイントベンチャーを行っていますが、日本在住者とのインターフェイスJAL と比較できるはずありません。(もちろん逆も同様。)

 

エジプト航空

(4) と (5) だけの例。客とのインターファイスは日本在住者向けには作っていないことを意味します。全世界向け対応。スターアライアンスなので国内では ANA が客対応することがあるかもしれませんが、客ー会社間の調整は限定的で、同情の表情づくりが主な業務ではないかと思います。

 

エーゲ航空

(5) だけの例。日本にスターアライアンス加盟会社が数多く就航している点しか接点がありません。何が起きても自力で解決。冷静に考えれば最も難易度が高い部類になります。三大航空連合加盟会社だけあり情報が多い点で救われますが、そもそも加盟していなければ、日本在住者が利用する可能性はほとんどありません。

 

以上、思いつくがまま例示してみました。

 海外渡航が多い方でも、行先は限定されるものです。興味の対象となる航空会社、FFP も行先・路線で決まりますが、利用しやすさを予めチェックすることは無駄にはなりますまい。面倒ならできる限り JALANA を選択するのがよろしいようです。実際、たいていの国で自国の会社を第一に選択する人が多数派です。「もっとも平凡」という状態を脱したい場合、外航利用は手っ取り早く、比較的楽な冒険。普通の人にも体験が広がると良いと思っています。