バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

笑えるような笑えないような各社からのメッセージ

昨日の日蝕は、皆様ご覧になったでしょうか。昨日は夏至でもありました。例年この日は梅雨の最中ですが、今年は晴天だった場所が多く、暑すぎず、一日が長いと、旅行には最適でした。夏至日蝕が重なりましたが、この組合せを強調する理由はなさそうです。至点は日蝕が起きている時間からずれていましたし...。

 

夏至は solstice d'été。solstice(至、至点)は英語でも solstice だから、夏至は summer solstice のはず。この単語、母語話者はわかる人が多いのですが、そうでないと英語が相当できる人でも通じないことが多いようです。しかし概念は平易。結局、中等教育を何語で受けるかという問題ですが、これは後々まで多大な影響を及ぼしているのでした。

 春分秋分の「分」にあたる日本語は知りませんが、仏語では équinoxe と言います。今調べたら、仏和辞典には分点や昼夜平分点と出ていました。前者は可能だとしても意味が広すぎ、後者は少し正確さに欠けます。日本語では、春分(équinoxe de printemps)と秋分(équinoxe d'automne)は広く通用するのに、共通する概念(équinoxe)になると言葉が未整備です。こういう点は面白いところです。「至と分」などという使い方なら可能かもしれませんが、極度に難しい言い回しになります。

 

さて夏至を過ぎると多くの国で旅行シーズンが間近。北欧ではバカンスの開始です。各国とも疫病による移動の落ち込みを挽回しなくてはなりません。しかし消費者は、感染リスクが一時期より下がっただけということを理解しているのか、航空便の予約は V 字回復には至っていないようです。航空会社はあの手この手で、客を呼び込もうと躍起になっています。

 

マレーシア航空からも昨日メールが届きました。ここに限らずどの航空会社も「衛生面での対策は完璧だから、安心してご利用を」というメッセージを顧客に送ります。取り上げる内容や量が会社によってずいぶん異なり、相場感が全くありません。

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いろいろと客にお願いすることが多く、その連絡も兼ねます。特設サイト

Fly with confidence and peace of mind

では、説明リーフレットと旅行準備のチェックリストのダウンロードもできます。

 

防護したサロンケバヤの写真は、アジアの住民には大変だとか、滑稽だとかいう印象を与えるでしょう。しかしエキゾチックな要素をさんざん売り物にしていた欧米では、イメージの棄損になる気がします。下心を刺激して航空券を買わせていたとまでは言いませんが、煽情的な要素がなかったとは言えません。そのツケが回ってきそうです。

 シンガポール航空はその点賢く、女性客室乗務員の防護眼鏡、マスク、シリコンゴム手袋装着の写真はなかなか出てきません。新聞では報道されています。

Singapore Airlines rolling out a host of measures to reassure travellers, Transport News & Top Stories - The Straits Times

わざわざ客室乗務員の防護姿を撮影、自社サイトで使ってイメージダウンを招きかねないマレーシア航空。そんな抜けているところが、彼ららしくて良いのですが...。

 

JALはちなみにこんな感じ。メールで送ってきたメッセージ。色調が凝っています。黒髪が美しく見えます。

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化粧直しいらず、昼飯ニンニクOKのマスク姿。最近JALを利用した皆さんにはおなじみでしょう。サイトでは、予防対策をわかりやすく説明して、利用を喚起します。

安全・安心な空の旅をお届けするために - JAL

 

ビデオまで作ってしまいました。

youtu.be

日本語ビデオで日本人向け。制服に妄想を膨らませる嗜好のある者にどう映るかはわかりませんが、健常な者には単なる情報の伝達。マレーシア航空の立像と異なり、現れる姿は全て業務中という点も作用します。

 

メールと特設サイトには、会社の取り組みも紹介しています。宣伝は宣伝に過ぎないとはいえ、ANAには真似できない取り組みもしっかり説明されています。

 

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コロナ禍でも交通インフラとしての使命を果たすために。JALの感染防止対策の舞台裏 - OnTrip JAL

先の写真では黒髪の美しさを意識してフォトショップを使ったと考えられますが、この写真では、照明の加減で髪の分け目が光っており、しばらく白髪染めをしていない妙齢の女性の頭頂部のようです。

 

感染防止のための隣席ブロックは 6月30日までです。搭乗した方はご存じだと思いますが、ゆったりしていて贅沢な旅になります。以後は元の詰め込みにもどりますが、予約が取りやすくなると前向きな気持ちになりましょう。

 

メールの最初にまじめな感染防止対策の宣伝、それ以降は新制服の裏話、国内航空券、ツアーのあれこれ7件と、結局はいつもの広告メールでした。2つに分けた方が企業イメージの向上には良かったと思いました。

 

欧米の航空会社もマスク着用に踏み切りました。旅客にも義務付けますが、なかなか大変そうです。Air Franceというか、フランスは搭乗客にサージカルマスクの着用を義務付けました。それを受け、同社は機内でのマスク着用の FAQ (Foire aux questions、仏語でもFAQです。)のサイトを設けました。

https://www.airfrance.fr/FR/fr/common/page_flottante/information/faq-coronavirus.htm

極めて限定されたテーマですが、11項目もあります。中にはサージカルマスクと普通のマスクの違いとか、サージカルマスクの装着方法とかもあり、この新デバイスに馴れていないことが明らか。

 

"Combien de temps puis-je porter le même masque chirurgical?"

「同じサージカルマスクをどれだけの時間着けていてもよいか?」

"Il est recommandé de ne pas porter le même masque chirurgical plus de 4 heures et de le changer après avoir bu ou mangé. Il est donc utile d'en avoir plusieurs avec soi selon la durée du vol. Pour en savoir plus, veuillez consulter la notice d'utilisation du fabricant.

「同じサージカルマスクは4時間を超えて装着しないこと、飲食の後で交換することが推奨されます。したがって飛行時間に応じて複数のマスクを携帯することが有用です。詳しい情報は、製造者による利用の注意をご覧ください。」

 

と、客に過大な要求をしています。しかしながら、パニックは疫病蔓延の必然。そこまで必要かという指示にも素直に従う必要があります。もし日本からパリへ飛ぶなら、サージカルマスクは片道10枚ぐらい携帯する方が良いと思います。着用していないと搭乗拒否ですから。

 

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めんどくさい Air France ですが、たぶん欧米の会社は似たりよったりだと思います。